本記事で学べること
●斜め切りをやる理由
●斜め切りをやってはいけない理由
斜め切りとは?
写真のように、斜めにスパッと一気に切る方法です。
一般的な追い口切りとは違い、木が一気に滑り落ちて危険なので、林業業界では【禁止事項】になっています。
実際に事故も起きていますから、絶対にやらないでください。
というのは木コリヌスの中では、きれいごとだと思います。
やるなと言われても、やらなければいけない理由があります。
斜め切りをやる理由
理由は、下記の通り。
捨て切り間伐の工事費が安くて合わない
全ての理由は、ここにあります。
とにかく安い。
造林補助金で、ha辺り7万円です。
三人で伐採作業をして、1日で終わらせないと赤字です。
「かかり木になったら、チルホールを使って、処理をしましょう!」
こんな悠長なこと言っていたら、仕事が終わらないです。
林業家は、ボランティア団体ではありません。
チルホールを使っても、赤字にならない工事費をくれるのであれば斜め切りをやらなくて済みます。
なんだか愚痴っぽくなってしまいましたが,
これが真実です。
やりたくなくても、やらないといけないんです。
斜め切りのメリット
危険な斜め切りですがメリットもあります。
斜め切りのメリットは、早く伐倒できることです。
●受け口と追い口を切る時間を短縮できる
●滑り落とすので、枝同士が当たらず倒れやすい
受け口と追い口を切る時間を短縮できる
斜めに一気に切り落とすので、受け口と追い口を切る時間を短縮できます。
1日50本伐採したら、かなりの時間を短縮できます。
滑り落とすので、枝同士が当たらず倒れやすい
斜め切りは、だいたい胸の高さくらいで切ります。
すると、1m30cmほど木が滑り落ちるので枝同士が当たらず、すんなり倒れます。
特に、ヒノキを伐採するときに有効です。(ヒノキは、枝が強いため)
斜め切りは、効率良くスピーディーに伐採できますが危険が伴います。
危険ポイントについて解説します。
斜め切りが危険な理由
斜め切りが危険な理由は、5つあります。
伐倒方向が不確定
受け口を切らないので、伐倒方向が定まりません。
切り込む角度と、残し具合で調整するので非常に難しいです。
ガイドバーが挟まれる可能性がある
重心がかかっている側から切り込むと、倒れる前に切りきることができずにガイドバーを挟まれます。
真ん中辺りまで切ったら、1度ガイドバーを抜いて反対側から切り込みましょう。
一気に滑り落ちてくる
通常は、追い口切りでつるを効かせて倒しますが、スパッと斜めに切るので、逃げる間もなく一気に倒れてきます。
初心者の方は、下記の正しい伐採方法で伐採して下さい。
滑り落ちた衝撃で下にある木が跳ねる
古い丸太や除伐したかん木などが、落下の衝撃で跳ねることがあります。
知り合いで、腕を骨折した人もいますので注意が必要です。
目の前に落ちるので自分に直撃する可能性がある
木の落下位置が近いのが斜め切りの特徴です。
地形にもよりますが、1.5m以内に落ちてくるのがほとんどです。
逃げる時間もないので、危険です。
結論 斜め切りはおすすめできません
結論を言うと、初心者にはおすすめできません。
木の動き方も分からないですし、何より逃げる時間がないので。
木コリヌスは、入社2年目でやりましたが、ガイドバー挟まれまくりで仕事になりませんでした。
簡単そうに見えますが、非常に技術が必要な作業です。
やるなとも言えないし、やれとも言えないからなんだかモヤモヤしますね(笑)
まぁ禁止事項ですから。やってはいけないのです。
でもやらなければならないのです。
初心者には、おすすめしません。
以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、ご安全に。