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【伐採の方法】安全で正しい伐採方法を徹底解説

本記事は、山で作業するプロ向けの記事です。
素人の方は、絶対にマネをしないで下さい。
庭木の伐採は業者に問い合わせてください。
こんにちは、木コリヌスです。
本日は、林業家の基本「伐採」について解説します。
基本と書きましたが、奥が深く高度な技術が必要になります。
また、死亡事故の7割が伐採によるものですから注意が必要です。
それでは注意点を踏まえながら、伐採方法について解説していきます。

なぜ正しい伐採が必要なのか

 

理由は、2つあると思っています。

 

⒈事故を起こさないため

⒉作業効率を上げるため

事故を起こさないため

 

間違った伐採をすると、事故を起こして重症もしくは死亡するからです。

あなたが林業を続けていくなら、これから何万本という木を切ることになります。

間違った伐採を続けているといつか被災します。

林業の事故は、1発が大きいのでここでしっかりと「正しい伐採方法」を覚えましょう。

作業効率を上げるため

 

間違った伐採は、伐倒方向の狂いが発生します。

伐倒方向の狂いは、そのあとの集材作業に大きな遅れを生じさせます。

例えば、真下に集材するのに真横に伐倒してしまったら、1度玉切りをしてから集材しなければなりません。

そうなると、荷掛け者が何往復もしなければならないので効率が下がりますよね。

初心者は、「安全に正確に伐倒」することを徹底しましょう。

プロが教える正しい伐採方法

 

伐倒作業は、下記の流れになります。

  • 伐倒の準備をする
  • 伐倒方向を決める=退避場所を決める
  • 伐倒する
    ・受け口を切る・追い口を切る・くさびを打ち込み伐倒する

 

伐倒の準備をする

 

準備は下記の事項を実施してください。

・木の観察

・周囲の危険の排除

木の観察

木につるが絡まっていないか、枝がらみや折れそうな枝はないか確認する。

「伐倒する木」と「他の木」につるが絡まっていると、伐倒方向が急変したり、絡まっている木が倒れてきて被災する可能性があります。

枝が他の木に絡んでいると、伐倒方向が急変したり枝が折れてあなたに直撃する可能性があります。

 

周囲の危険の排除

二次的災害につながるものは全て排除します。

周囲の小径木、浮石、短く切った丸太など。

下の写真をみて下さい。

この写真は、4mに切った丸太ですがこの状況は非常に危険です。

このように浮いた丸太の上に伐倒すると、丸太が飛んできてあなたや周囲の作業員に直撃する可能性があります。

伐倒前に排除するか、退避を考えて伐倒すること。

伐倒方向を決める=退避場所を決める

 

伐倒方向を決めます。

伐倒方向を決めるのにも下記の要素がありますが、優先すべきは安全に倒せる方向です。

 

●重心

●地形

●風向き

●作業効率

重心

木の重心を見るのは、必須事項です。

枝の偏り、木の傾きによって伐採方法が変わります。

伐倒したい方向に重心があれば楽ですが、反対だと起こしながら伐採しなければなりません。

重心を見て最適な伐採方法を選択しましょう。

地形

安全面と作業効率面の両方から、地形を考慮することは大切です。

沢に伐倒してしまうと、足場が悪くなり効率が下がってしまいます。

沢のような危険な場所に伐倒しないようにしましょう。

風向き

風が強いと伐倒方向が狂いますので、迎え風にならないような伐倒方向を選択します。

私は前日に風の方向を天気予報で調べて、次の日の伐倒方向を決めます。

山なので当たらない時もありますが…。

作業効率

伐倒した後の、造材作業や集材作業の効率が下がるような伐倒方向を選択してはいけません。

効率の下がる伐倒方向は下記。

 

●造材作業に影響するような伐倒方向(沢、倒れている丸太の上など)

●集材できないような伐倒方向(集材方向とは、違う方向に伐倒する)

●集材の効率を下げる伐倒方向(ばってんの形に重ねる伐倒)

 

これらを、考えて伐倒方向を決めます。

決まったら発声をします。

先輩がいるときは大きな声で、一人の時は小さく「伐倒方向よしっ」

伐倒方向が決まったら、退避場所を決める

 

伐倒方向の、後方130°が安全な退避場所とされています。

しかし、現場の経験から真後ろは危険です。

伐倒した木が他の木に当たり、真後ろに飛んできた経験がありますので斜め後ろの足場のいい場所を選択します。

 

受け口を切る

正しい受け口の写真です。

受け口は、狙った方向に倒すために切ります。

受け口の大きさ

 

受け口の大きさは、直径の4分の1が基本です。

大径木の場合は、3分の1以上になります。
(写真の木は、直径が60㎝あったので3分の1にしました。)

受け口の角度

受け口の角度は、30°~45°が基本です。

木の状況に合わせて変わります。

下切りと斜め切りは一致させる

これは悪い例です。

下切りと斜め切りが一致していないと、つるが弱くなり伐倒方向が変わるので危険です。

 

下切りと斜め切りは必ず一致させる。

一致していないとつるが効かなくなり、思わぬ方向に倒れたり元が外れてあなたに直撃する可能性があります。

下切りと斜め切りを一致させるコツ

 

下切りをしながら、チェーンソーのバーを伐倒方向に正確に合わせます。

下切りしたら、端と端を合わせるように斜め切りをするだけです。

最初は難しいかもしれませんが慣れれば簡単にできるようになります。

 

受け口を見ても伐倒方向が分からないあなたへ

 

林業初心者
受け口を見ても倒れる方向が分かりません…
私も,初心者の頃はそうでした。
見ても分からないんですよね。
でも安心してください!
簡単に分かる方法を、2つ紹介します。

チョークで書く

 

写真のように、切った面に沿って横に線を引きます。

横線に対して垂直に縦線を書いて下さい。

その縦線が、伐倒方向です。

 

クサビを置く

 

これが、早くて簡単ですね。

クサビが向いている方向が伐倒方向になります。

怖い先輩にもバレなくていいかもです。

ぜひ実践してみて下さい。

 

追い口を切る

 

追い口は、つるの残し方を意識して切り込みます。

つるの役割

つるは、根株と樹幹との張り合いを保つ。蝶つがいの役割を果たします。

伐倒方向を確実にする

倒れる速度がゆっくりになるので退避の時間がとれる

追い口の高さ

追い口の高さは、受け口の3分の2の位置とし水平に切り込みます。

つるを残す幅

つるは、直径の10分の1残します。

ただ、これは基本です。

樹種や木の傾きなどによって変わります。

つるを、切りすぎると安定が保てなくなり伐倒方向が狂います。

つるを、残しすぎると木が裂けることがあります。

つるの残し方については、下記の記事で詳しく解説しています。

【伐採】プロだけが知っているつるの残し方

追い口を切るときは必ず上場で切ること

追い口を切る時は、斜面の上側で切ってください。

斜面の下側で切ると、切りすぎてつるが外れた時被災します。

木が太くて両側から切らなければいけない時は、下側から切ります。

そして、上側を切って伐倒します。

逆の手順にすると被災します。

つるは、切りすぎると安定を失いどこに倒れるか分からなくなり被災する可能性があります。

木が太い時は、下側から切り最後に上側を切って伐倒すること。
逆の手順にすると、切りすぎてつるが外れた時にあなたに直撃する可能性があります。

くさびを打ち込む

クサビ打ち込み

くさびは、必ず使いましょう。

くさびは、同じ大きさのものを2本使用します。

細い木は、2本入らないので1本で大丈夫です。

重心が読めるようになれば、写真のように太い木でも1本で切れるようになります。

決めた退避場所に退避する

 

木が倒れ始めたら速やかに退避します。

必ず3メートルは退避して下さい。

退避は、あなたがベテランになろうが関係なく必ずです。

3メートル逃げておけば、何かあっても助かる距離です。

ベテランを見てると逃げない人が多いですが、これを読んでくれたあなたは3メートル退避を守ってください。

相手は自然ですから、人間なんて簡単に死にます。

まとめ

 

安全な伐倒方法はいかがだったでしょうか。

伐倒だけでも、これだけ安全に対する意識が必要です

正しい伐倒方法を身につければ、作業効率が上がり、危険も回避できます。

時間をかけてもいいので、癖になるくらい身につけて下さい。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

それでは、ご安全に。

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