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【伐採】プロだけが知っている、つるの残し方

林業初心者
林業初心者
つるの残し方をもっと詳しく知りたいです。
本記事は、状況に合わせたつるの残し方について解説します。

本記事の内容

つるの役割が分かる

●状況に合わせたつるの残し方がわかる

つるの役割

 

つるの役割

つるの役割は、2つあります。

●伐倒方向を正確にコントロールするため

●木の倒れるスピードをゆっくりにするため

順番に解説します。

伐倒方向を正確にコントロールするため

つるを残すことによって伐倒方向を正確にコントロールできます。

つるが蝶つがいの役割を果たして、受け口の方向に倒れるわけです。

当然追い口を切りすぎてつるが残らなければ、伐倒木をコントロールすることができません。

初心者がやりがちなミスです。

木の倒れるスピードをゆっくりにするため

つるを残すことにより、木がゆっくり倒れ退避する時間を長くすることができます。

安全に作業するためにも、つるは残しましょう。

つるを残す量は直径の10分の1はただの目安

教科書に書いてある「つるは直径の10分の1」というのは1つの目安です。

上級者は、木の状況に合わせてつるの残す量を調整しています。

木の状況とは、

樹形

●樹種

●木の傾き

●木の重心

●地形

●風向き

これらを考慮して伐倒しています。

どうやったら状況に合わせてつるの残す量を調整して伐倒できるか

 

●つるの特性を理解する

●考えながら伐倒して経験を積む

上記2つを実践すれば、つるの残し方が分かるでしょう。

つるの特性

つるの特性について解説します。

木コリヌス自身も初心者の頃は、つるの事をここまで分かってあげる事ができませんでした。

つるの特性を理解すれば、状況に合わせてつるの残す量を調整することが可能になります。

つるを強く残した方に倒れる

伐倒木は、つるを強く残した方に倒れます。

つるの強い方に、引っ張られるという表現のが分かりやすいでしょうか。

つるは、繊維の抵抗だと考えてください。

つるを強く残すとは?

 

●つるの幅を広く残す

●受け口を小さくする

上記2つを順番に解説していきます。

つるの幅を広く残す

つるの幅を、広く残すと繊維の抵抗が大きくなります。

つるのちぎれる長さが増えるので、強くなるという事です。

残しすぎると、木が裂けるのでオノ目を入れるなど対策が必要です。

 

受け口を小さくする

受け口を小さくすると、つるが強くなります。

これは、図の通りで年輪の方向が斜めになるため抵抗が増すからです。

「大径木は、受け口を大きくしましょう」というのはこの原理から来ています。

大径木で受け口を4分の1にすると、年輪が斜めになり裂けやすくなるため、3分の1以上とされています。

つるだけ見ても、受け口と追い口が密接に関係しています。

受け口と追い口とつるのどれかが1つでも欠けたら良い伐倒とは言えません。

奥が深い!

状況別つるの残し方

 

つるは、幅と高さと受け口で調整することが分かった所で、具体的な状況別の伐採方法について解説します。

もちろん人によって考え方が違うので、良いと思ったら吸収してください。

写真の松を例に何パターンか解説していきます。

重心の逆側のつるを強く残す

重心の逆側のつるを強く残す

この松を矢印の方向に倒す場合について解説します。

状況は、

●重心が矢印方向と下(カメラ側)

●横に伐倒したい

 

この場合のつるの残し方は、上側のつるを強く残します。

アングル変わりまして、松の上から撮った写真です。

上側というのはこちら側です。

下に重心があるので。こちら側を弱くすると下側に倒れてしまうかもしれません。

下側よりも、こちら側のつる幅を多く残しましょう。

写真は山ですが、これが家の場合絶対下には倒せませんね。

重心の反対側のつるを強く残すのは基本になりますので覚えて下さい。

起こしながら伐採する場合

起こしながら伐採する場合

今度は伐倒方向が反対になりました。

この松は右に傾いているので「起こしながらの伐採」になります。

状況は、

●起こしながらの伐採(チルホール使用)

●横に伐倒したい

この場合のつるの残し方は、

起こしながらなので受け口の大きさは小さめ

●受け口の角度は45度以上

●全体的につるは強め、プラスで若干上側を強く

起こしながらなので受け口の大きさは小さめ

起こしながら伐採する時は、つるを強く残すのが基本になります。

受け口を小さくすることで、つるの強度が増します。

しかし、小さ過ぎるても伐倒方向が定まらないので注意が必要です。

受け口の角度は45度以上

起こしながら伐採する時の受け口の角度は、45度以上にしましょう。

起こすという事は、木が動く量も多いです。

受け口が狭いと、受け口がふさがってしまい、つるが引っ張られて破壊されます。

起こしている途中に、つるが破壊されたら大事故につながります。

受け口の角度は45度以上、覚えて下さい。

全体的につるは強め、プラスで若干上側を強く

起こすときは、全体的につるは強めにします。

なおかつ、この場合上側のつるを若干強めにすると良いでしょう。

ここらへん分かるようになるには経験するしかありません。

補足:これが松ではなくスギだったら厳しい

起こす木が、松ではなくスギだった場合厳しいです。

写真の傾きだとおそらくですが、起こしてる途中でつるが折れます。

このように樹種によっても変わってきますので注意しましょう。

 

 

2パターン解説しましたが、画像と文章だと説明が難しいですね。

倒したくない方向の逆側のつるは強くする。これが基本です。

基本をおさえつつ、状況に合わせて変化させましょう。

考えながら伐倒して経験を積む

何気ない普通の伐採でも、つるを意識して考えながら伐採しましょう。

つるで伐倒方向を調整しながら伐採してみる

木コリヌスが、今でも実践しているつるの残し方を身に付けるトレーニングを紹介します。

手順は下記の通り。

受け口を、若干左にしてみる

●右側のつるを若干強く残してみる

●伐倒したらどのくらい変わったかを見る

普段からこれを意識して伐採すれば自然と分かるようになります。
樹種によっても変わってくるし、なかなか面白いですよ。
どの仕事もそうですが、「考えながら仕事をする。」←これ大切です。
どんな時も、退避を忘れずに!

まとめ

つるの残し方いかがだったでしょうか?

様々な要素で残し方が変わるので、もしかしたら答えはないかもしれません。

林業は、答えのない仕事ばかりだと思っています。

同じ条件が二度とない為、比べることができないからです。

AさんとBさんの意見を同じ条件で試せないのです。

だから面白いじゃないですか、1発勝負!

あなただけの答え合わせ、してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、明日もご安全に。

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