本記事の内容
●木が裂ける原因を解説
●裂けさせない伐採テクニック
木が裂ける原因
木が裂ける原因は3つあります。
●つるを残しすぎている
●伐倒先の地形
●【危険】傾いている木の縦裂け
つるを残しすぎている
つるを残しすぎていると、伐倒した時にうまく根株から外れない為、つるの部分から裂けます。
つるを残す幅は、直径の10分の1が目安です。
残しすぎないように注意しましょう。
伐倒先の地形
伐倒する先の地形状況で、思わぬ裂け方をする時があります。
特に、尾根に向かって伐倒するときは注意が必要です。
シーソーを思い浮かべるとイメージができます。
真ん中あたりに支点があると、手前が上がりますよね?
上への力が掛かると、簡単につるの部分から裂けてしまいます。
【危険】傾いている木の縦裂け
命に関わる裂け方なので完全に覚えて下さい。
著しく傾いている木は、追い口を入れた瞬間に縦に裂けて逃げる間もなくあなたに直撃することがあります。
傾いてる木は、半分倒れているようなものです。
そこに刃を入れるのですから、切りきる前に芯から裂けてしまいます。
何人もの方が、このパターンで亡くなっているので覚えておいて下さい。
裂けさせない対処法、テクニック
紹介するテクニックは4つです。
●オノ目を入れる
●木が倒れ始めたら追い切り
●追いづる切り
●ワイヤーを巻く
オノ目を入れる
オノ目とは、受け口の下に入れる切れ目です。
写真を見ると、受け口の下に切れ目がありますね。
これが、オノ目です。
(見やすくするためオノ目に位置を下げて切っています。)
オノ目の効果
倒れた時に、オノ目の部分で裂けが止まります。
写真を見ると、オノ目の部分が抜けています。
裂けさせない効果抜群です。
オノ目の入れ方
タイミングは、受け口を切ったら入れましょう。
●受け口の下、1~2cmくらいの場所
●長さは、直径の5分の1以上
●深さは3~5センチくらい
オノ目のデメリット
若干ではありますが、つるの強度が弱まるので切りすぎ注意です。
木が倒れ始めたら追い切り
この方法は、危険が伴うのですぐ退避できる足場のいい場所限定です。
初心者にオススメはしません。
追い口切りで木が倒れ始めたら、写真の位置を1秒くらい切り込みます。
木は、倒れ始めたら方向は合っているのでつるを切ってしまうテクニックです。
デメリット
退避時間が遅れるので、初心者にはオススメしません。
が、手軽で効果は抜群なので木コリヌスは多用してます。
追いづる切り
傾いている木の縦裂けを防止するのに効果的です。
技術が必要ですので、反復練習しましょう。
初心者は、細い木で練習して下さい。
追いづる切りの手順は下記の通り。
●受け口を切る
●追い口を、横から突っ込み切りで切る
●必要に応じてクサビを入れる
●最後に残った後ろを切って退避
受け口を切る
追いづる切りの受け口は、小さめを意識します。(木が太ければ通常でOKです)
突っ込み切りをするので、追い口側を広くしていないと突っ込むスペースがなくなる為です。
追い口を横から突っ込み切りで切る
追いづる切りで、1番重要な工程です。
キックバックに注意しながら、バーを横から突っ込みます。
コツは、突っ込む時にバーを斜めに入れることです。
写真のように両側から切り、後ろだけ残します。
必要に応じてクサビを入れる
木の傾きがあまりなく、倒れるか分からないと判断したらクサビを入れます。
後ろが残っていますから、横から受け口方向にクサビを入れます。
同じサイズのクサビを両側から入れて下さい。
最後に残った後ろを切って退避
残った後ろを切るだけです。
突っ込み切りしたラインより、斜め上から切ります。
上から切る理由は、クサビを入れた時にクサビを切ってしまうからです。
木が倒れ始めたらすぐ退避して下さい。
写真は、追いづる切りの株です。
木にワイヤーを巻く
胸の高さくらいに、ワイヤーを巻きつけます。
傾いている木の縦裂けに有効なので確実、絶対に巻いてください。
これだけで、命が守れます。
まとめ
裂けさせないテクニックいかがだったでしょうか。
追いづる切りは、慣れが必要ですがそれ以外は手間もかからず簡単です。
テクニックおさらい。
●オノ目を入れる
●木が倒れ始めたら追い切り
●追いづる切り
●ワイヤーを巻く
傾いている木の縦裂けだけは、本当に気を付けてください!マジで!
少しずつで良いので、実践してみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、ご安全に。