かかり木処理

【かかり木処理】正しいフェリングレバーの使い方【画像解説あり】

【かかり木処理】正しいフェリングレバーの使い方【画像解説あり】

本記事の内容

●フェリングレバーの種類がわかる

●フェリングレバーの正しい使い方がわかる

【かかり木処理】正しいフェリングレバーの使い方【画像解説あり】

山林で伐採作業していると必ず起こってしまうかかり木。

特に、混んだヒノキ林では頻発します。

もちろん、かかり木が発生したら放置することなく、かかり木を処理することになるわけですが、処理方法はいくつも存在します。

本記事では、かかり木処理の道具のひとつ、「フェリングレバー(木回し)」の使い方について解説します。

かかり木処理の参考にしていただけると幸いです:

正しい目立ての記事は下記を見てみて下さい。

>>正しい目立ての方法を徹底解説!これを見れば切れます

フェリングレバーとは?

フェリングレバーとは、かかり木処理に使われる道具です。

持ち手がついており、木に引っ掛けるためのフックが先端についています。

持ち運びがしやすいので、多くの林業従事者が使用しています。

チルホールなどの牽引器具を持ち運ぶのが困難な時に活躍します。(チルホールなんかいちいち持って行けるか!という人もいますねw)

フェリングレバーの使用用途は2つあります

先端のフックを木に引っ掛けて回す

追い口にフェリングレバーの先端を差し込み、木を起こして伐倒する

フェリングレバーの種類

フェリングレバーは各メーカーから販売されており、代表的なのがハスクバーナーやオレゴンあたりでしょうか。

各メーカーの商品を使用したことがありますが、どれも大差はない感じです。

ただ、フェリングレバーにも大きさがあって、小さい方を小径木用、大きい方を大径木用と勝手に分けて解説します。

小径木用

小さいフェリングレバーの大きさと重さは下記の通りです。

ハスクバーナー:長さ76cm、重さ1.65㎏

オレゴン:長さ80cm、重さ1.8㎏

オレゴン製のフェリングレバーの方が少々大きくて頑丈なイメージでしょうか。

小さいフェリングレバーを使ってみて感じたメリットをまとめてみました。

 

小さいフェリングレバーのメリット

短くて軽いので、持ち運びが簡単

価格も1万円前後でお手頃価格

小さくて軽いので、山での持ち運びが本当に楽です。

多くの林業従事者が使用しているスタンダードタイプと言えるでしょう。
長い距離を歩いてようやく辿り着くような現場には必須の道具になります。
しかし、小さいながらのデメリット、注意点もあります。

デメリット

木の直径が30cmくらいが使用限界である

長さが短いので、てこがあまり効かず力が必要になる

小さい仕様なので仕方ないですが、木を回すにも起こすにも結構力が必要になります。
木が太くなると、先端のフックが引っかからないので使用できません。
20㎝くらいの小径木のかかり木処理に最適です。

大径木用

続いて大きい方のフェリングレバーの大きさと重さを解説します。

ハスクバーナー:長さ130cm、重さ3㎏

オレゴン:長さ、重さともに同じ

大きさも小さい方と比べるとかなり大きいです。

個人的には大きいフェリングレバーが使いやすいです。

大きいフェリングレバーのメリット

大きいので直径50cmくらいまで使用できる

長くて、てこが効くので木を回すのが簡単

長くて、てこが効くので木を起こすのが簡単

視認性が高いので紛失しにくい

長くて、てこが効くので比較的小さい力で木を回したり起こすことができます。
先端のフックが大きいので、木をしっかりとホールドできて、すっぽ抜けることもなく安全に作業できます。
伐倒のときに、追い口に差し込んで木起こしとして使用する時も、てこが効くので比較的簡単に木を起こすことが可能。
大きくて目立つので、視認性が高く紛失する心配もありません。

デメリット

大きくて重いので持ち運びが大変

価格が高い

持ち運ぶ時に大きくて長いので、片手は完全にふさがります。

高齢者の先輩は「こんなもの持てるか!」と放棄していました。

でも、現場に着くと使わせて〜って来るんですよねw

使用する際は太い木まで使えるし、小さい力で楽だから重宝しています。

価格は、15.000円前後と少々高めです。

とはいえ、個人的にはデメリットを補うメリットはあると思っています。

便利なインパクトバー紹介

便利なインパクトバー紹介

持っているとちょっと便利な道具を紹介します。

ハスクバーナーから発売されているインパクトバーという商品です。

主な使用方法は2つです。

追い口に差し込んで木起こしとして使う

ハンマーの代わりとしてくさびを打ち込める

先端を追い口に差し込み、木を起こして伐倒が可能。

また、ハンマーの代わりとしてクサビが打ち込めます。

非常にコンパクトで持ち運びも便利なので、リュックに1つ忍ばしておくと便利です。


フェリングレバーの使い方

かかり木が発生した時にフェリングレバーをどのように使うのか解説していきます。

●かかり木処理で木を回して落とす

●伐倒の時、追い口に先端を差し込み木を起こす

かかり木処理で木を回して落とす方法

かかり木処理における、フェリングレバーの使い方手順は下記の通りです。

●木を回す方向を選択する

●根株に切り込みを入れる

●フックをかけて回す

フックを外して退避

木を回す方向を選択する

かかり木を観察して木をどちらに回すか選択します。

根株に切り込みを入れる

回す方向側に切り込みを入れます。

木の状況にもよりますが、大体半分くらいまで切り込みます。

切り込みすぎると、ガイドバーを挟まれるので注意してください。

フックをかけて回す

かかり木を観察して、どちらに回すか選択する

回す方向とは、反対側にフックをかけます。

ハンマーで優しく叩いて入れると効果的です。

フックが外れると危険ですので必ず確認しましょう。

回す時は、必ず押して回します。

引いて回すと、伐倒木方向に体があるため危険です。

木を回す時は、必ず押して回しましょう。

引いて回すと伐倒木に体が近いためあなたに直撃する可能性が高まります。

フックを外して退避

フックを外して退避

木が回り始めたら、回る方向とは反対側に引き抜いてフックを外します。(矢印方向)

外したらすぐ退避しましょう。

うまくフックが外れない時は、フェリングレバーの事は1回忘れて退避します。

道具はお金を出せば買えますが、あなたの命は買えません。

道具なんて安いものです。

 

また、フェリングレバーは基本的には小径木のかかり木処理に使うものです。

大径木のかかり木処理はチルホールを使いましょう。

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伐倒の時、追い口に先端を差し込み木を起こす方法

伐倒の時、追い口に先端を差し込み木を起こす方法

追い口に先端を差し込み、木を起こす方法の手順は下記の通りです。

●追い口に先端を差し込む

●フェリングレバーを持ち上げて起こす

追い口に先端を差し込む

追い口に先端を差し込みます。

フェリングレバーを持ち上げて起こす

差し込んだら、フェリングレバーを持ち上げて木を起こします。

逆に、フェリングレバーを下げて起こす人もいますので好きなほうを選んで下さい。

個人的には、持ち上げる方が力が入る気がします。

正しいフェリングレバーの使い方 まとめ

 

正しいフェリングレバーの使い方はいかがだったでしょうか?

上手に使いこなせるようになると伐採の効率がグンと上がります。

回してよし、起こしてよしな万能な道具なんで是非使いこなして下さい。

「回す時は必ず押して使用する」これだけは必ず守ってください。

引いて、フックが外れて転んで、あなたの上に木が落ちてきたら終わりです。

リスクは出来るだけ少なくしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、明日もご安全に。

ABOUT ME
木コリヌス
木コリヌス
林業歴13年の木コリヌスです。林業を始めたい方や伸び悩んでいる初心者向けに技術や安全について情報発信していきます。林業は非常に危険な仕事ですが、それ以上に林業が好きです!ハスクバーナーを愛しています。林業ブログ奮闘中の34歳です。