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林業は事故が多い仕事、山で死なない為に大切なこと【現場歴13年が語る】

こんにちは、木コリヌスです。
今回は、林業の事故について深堀りしようと思います。
これから林業を始めようとしている方や初心者の方には、事実を知ってもらいたいです。
結論を言うと「中途半端な気持ちで林業をやるならやめたほうがいい」です。

なんとなく山で働きたい

山が好き

自然の中での仕事がいい

こんな方は要注意です。
理由は簡単で、林業ほど危険な仕事はほかにはないからです。
これから林業を始めたい方や、林業初心者の方もここは肝に銘じて下さい。
では、林業の事故について解説します。

林業事故における死傷率は日本1位

 

林業の危険度を順番に解説していきます。

年別死傷者数と死亡者数

 

死傷者件数

しつこいかもですが、林業は危険な仕事です。

この図は、林業の労働災害における死傷者数と死亡者数です。

 

死傷者数:被災して4日以上仕事を休んだ人の数

死亡者数:被災して亡くなられた人の数

最近は落ち着いていますが、毎年1300~1600人くらいの方が死傷しています。

死亡者は、毎年30~50人です。

「意外と少ない」と思われるかも知れませんが、そんなことはありません。

従事している人が少ないので、死亡率で見ると非常に高いです。

産業別死傷年千人率

 

死傷年千人率は、1年間の労働者1000人当たりに発生した死傷者数の割合です。

下記の図を見て下さい。

 

産業別死傷年千人率です。

林業における死傷年千人率は、他の産業を抜いてダントツ1位です。

2番目の、陸上貨物運輸業と比べても4倍近い死傷率です。

労働者死傷災害発生率

 

労働者死傷災害発生率です。

 

こちらの図は、産業別の死傷災害の発生率です。

度数率:100万延べ労働時間当たりの労働災害による死傷者数を表したもの

強度率:1000延べ労働時間当たりの労働損失日数から災害の重篤度を表したもの

29年度の度数率で見ると、林業(100人~)は49.19で、全産業は1.66ですから30倍近いです。
29年度の強度率を見ると、林業(100人~)は0.65で、全産業は0.09ですから7倍以上になります。

結論、林業は危険

統計から見ても分かる通り「林業は危険」です。

災害発生率が高く、災害の重篤度も高いということです。

では、なぜ林業は重篤な災害が起きるのでしょうか。

林業が危険な理由を下記にまとめました。

林業が危険な理由

 

理由は7つあります。

天候が変化し現場の状況も変化するから

足場の悪い急傾斜での作業をするから

伐倒木の特性(折れ、裂け、かかる、落ちる、飛ぶ、跳ねる)があるから

鋭利な刃物(チェーンソー、刈払い機、なたなど)を使用するから

狭い不整地を重機で走行するから

重量物を扱うから作業員同士が離れて作業することがあるため

被災者の発見が遅れることがあるから

 

細かな理由をあげればまだまだありますが、このような理由から事故が発生します。

急傾斜地で、刃が露出したチェーンソーを使用し重量物を扱う。

想像するだけで危険ですね。

林業の危険度が分かった所で、どうすれば事故を防げるか私なりに解説します。

林業事故を防止するためには

事故防止対策は、3つに分けて解説していきます。

 

・道具編

・知識編

・作業編

道具編

林業の仕事でなくてはならない道具。

種類はたくさんありますが、事故を防止するための共通点が1つあります。

「整備をしろ」です。

道具は、整備をしないといい仕事もできないし危険です。

ここでは2つ木コリヌスの体験も踏まえて解説します。

刃物は常に切れるようにする

 

切れない刃物を使うということは、ぬるいビールを飲むのと同じことです。

切れないチェーンソーを使うと下記のような現象が起こります。

● 燃費が悪くなる

● 仕事が汚い、遅い

● 体が疲れる

● 力が入って、キックバックして被災する

刃が切れないだけで、これだけのデメリットがあります。

最後の「キックバックして被災する」は、私の経験談です。

防護ズボンを履いていたので大丈夫でしたが…。

切れる刃を使えば、被災のリスクを減らせるので心掛けて下さい。

道具の点検をする

身近で重大事故につながる道具は「ワイヤー」です。

ワイヤーの点検は、マジでやって下さい。

 

●ワイヤーがプチプチ切れている

●キンクしている(クセがついている)

この2点だけは必ず点検し、摩耗していたら交換して下さい。

私の体験談を話すと、集材中ワイヤーが切れて重さ1㎏のフックが時速110kmで飛んできました。

たまたま顔の横を通って行きましたが、直撃していたらこの記事を書くこともなかったでしょう。

チェーンソーの点検を怠っても事故につながる事は少ないですが、ワイヤーはやばいです。

知識編

知識編は下記の3点です。

・リスクアセスメントの実施

・災害事例を確認する

・知識を武装する

リスクアセスメントの実施

会社で必須事項ですので必ずやります。

1つの事例に対して、どのようなリスクがあるか複数人で協議するのがリスクアセスメントです。

安全に対する基本を学ぶには最適です。

ただ、現場での複雑な要因が絡んだ事例には対応できません。

災害事例を確認する

現場の複雑な要因が絡んだ事故を学ぶにはこの方法が最適です。

災害事例は、亡くなられた方からのメッセージだと認識して下さい。

「私はこのパターンで死んでしまったけど、あなたは繰り返さないでほしい」

亡くなられた方が教えてくれているんです。

無駄にしてはいけません。

災害事例は見るだけではなく、自分に置き換えて被災するところをイメージしてインプットする。

これが大切です。

すると現場で「このパターンあったな」と気を付ける事ができます。

災害事例は、こちらからチェックしてください。

林業木材製造業労働災害防止協会はこちら

知識を武装する

今は研修がものすごく充実していますので、習った事を必ず覚えて実践してください。

各カテゴリーごとに特性があるので、勉強して知識を武装しましょう。

このブログを読んで勉強してもっても構いません。嬉しいです。

基本から応用まで発信していくので参考にして下さい。

質問があれば、Twitterから気軽に質問して下さい。

作業編

作業編

 

下記の3つを実践して下さい。

●横着をしない

●考えるクセをつける(予想する)

●熟練者にお願いする

横着をしない

横着をして、事故を起こすケースは多いです。

「枝払いをしていて、1歩引くのが面倒で足を切る」

このような事案は、よくあります。

バカじゃない?と思うかも知れませんが、疲れてくるとついやってしまうものです。

横着をせず確実に仕事しましょう。

考えるクセをつける(予想する)

この木は、尾根に倒すから元が跳ねて自分に当たるかもしれない

この丸太を集材したら上にあるあの石が落ちてくるかも知れない

作業中は、上記のように予想しながら作業してください。

最初は、危険個所が分からないと思います。

とにかく逃げる態勢だけは確保しておくことが大切です。

予想しながらすぐ退避を繰り返すと、分かるようになります。

熟練者にお願いする

自分ではどうしようもないと思ったら熟練者にお願いして下さい。

とにかく無理をしないこと。

そして、熟練者がやっている所を、自分がやっているつもりで見ること。

これが大切です。

何となく見ているだけでは成長しません。

まとめ

 

林業事故の記事は、いかがだったでしょうか?

脅している訳でもないですし、事実を書きました。

あまり事故の話について、知る機会も少ないかと思います。

ただこれから林業を始める方が「こんなはずじゃなかった」と思って欲しくないのです。

あと1番伝えたいのが、林業で死ぬなということです。

私も知り合いを一人亡くしていますが、本当に悲しいです。

家族はもっと悲しい。

だから、死んだらダメです。

勉強して、経験を積んで事故を防止しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、ご安全に。

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